「真似る」という「学び」、「立場」という「学習環境」
-幼稚園のウサギ組(4歳児)の姿を見て-今日は、深谷幼稚園を会場にして深谷市教育委員会主催の「子育て広場」が開かれました。その中の一つのプログラムに、ウサギ組(4歳児)の園児たちが、来年度の新入園児とそのお母さん方に、先日の祖父母会で披露した「てぶくろ」の劇を見せた後、新入園児に教えながら一緒に劇を演じるというものがありました。

教務主任の根岸先生が、「来年みんながパンダ組(5歳児)さんになったときのウサギ組(4歳児)になるお友達ですよ。優しく教えてあげましょう。」と言葉をかけたとたん、ウサギ組の子供たちの表情と積極性が変わったように見えました。

自分たちが教えてもらってきたパンダ組のお兄さん・お姉さんというやるべきことの具体的なイメージが一気に共有され、意欲に火がついたのです。自分たちがしてもらったように優しく丁寧に、そしてお兄さん・お姉さんらしく教えていました。こんな風にできるんだということ、また5歳児のことをこんなにしっかりと見ていたんだということに驚かされました。
昔「まねぶ」という言葉がありました。古語辞典で調べると「①まねをする。口まねをする。 ②見たり聞いたりしたことをそのまま人に伝える。 ③習得する。勉強する。」という3つの意味が示されています。確かに、この①から③のプロセスをたどることが「学ぶ」ことになるように思えます。同じように「学ぶ」を調べてみると、「①習って行う。まねる。 ②学問する。勉強する。」と示されています。こうした言葉の歴史をみてみると、「学ぶ」ことは「まねる」ことからスタートするようです。
また、今日の4歳児たちに見られたように、「教える」「お兄さん・お姉さん」などの「立場」を与えることが子供たちの「学び」を促したり意欲を喚起したりする「学習環境」になります。
「まねる」ことや「立場」を与えることは、ご家庭でもできることはあります。しかし、「まねる」モデルや与えられる「立場」の豊富さは、幼稚園や学校といった集団での学びの場が勝ります。ただし、こうした「集団での学び」は「ご家庭での個の学び」が基盤となります。それぞれの特質を活かして子供たちの「学び」を確かで豊かなものにしていきたいですね。
№11