それぞれの色づき 
-深谷小学校の木々と子供たち-
今朝は厚い雲が空いっぱいにひろがり、青空が全く見えません。
そんなちょっと暗い中でも、あるいはそんななかだからこそ、
校庭の木々の鮮やかな紅葉に目も心もひかれます。秋の紅葉の美しさは、春の桜の一斉に咲き一斉に散る統一された美しさと異なり、木々がそれぞれの色や色づき方をする多様性にあると思っています。

学校、特に小学校では、同じことをみんなが同じようにできるようになることを目指した取組を進めることが多いです。例えばかけ算九九のように、どの子にもできるようにできるまで教え学ばせています。しかし、かけ算九九でもみんなが同時にできるようになるわけではありませんし、身に付け方もいろいろあります。また、係や委員会活動のように、敢えて違うことに取り組ませることもしています。
深谷小学校の校章はイチョウがデザインされています。今の校舎が建つ以前は、南門から玄関に向かう道はイチョウ並木になっていました。今もその一部は残されています。

数ある深谷小のイチョウを改めて見比べると、色づき具合は同じではありません。幼稚園との境に並んでいるイチョウは、同じ場所にあっても明らかに色づき具合が異なっています。

1年生は今日から1クラスずつ「バイキング給食」になります。いつものみんなと同じメニューではなく、自分で選んで食べます。「同じ」ことができるようにするだけでなく「違う」楽しさを味わうことを、給食でも取り組んでいます。
「21世紀はダイバーシティの時代」と言われることがあります。ダイバーシティとは、直訳すると「多様性」となり、「幅広く性質の異なるものが存在する こと」を意味します。社会でも会社等の組織でも、これからは一層「多様な人材を活かす戦略」が求められます。そうしたこれからの社会を生き抜く子供たちには、学校でもご家庭でも地域でも、様々な「違い」を尊重して受け入れ、「違い」を積極的に活かし、協力(協働)して変化・発展し続けられる力を身に付けさせて行かなければいけないと思っています。もちろんそのためには、誰でもができてほしいことは何としても身に付けさせなければなりません。
深谷小学校の校章が、多様性の季節である秋にその美しさを最も発揮するイチョウであることの意味をかみしめ、深谷小学校としての取組を進めていきます!