放送による校長講話Ⅱ 
-「ありがとう」という言葉を使うときに大切にしてほしいこと-
週末には収まったように思えた深谷小学校でのインフルエンザの勢いでしたが、休みが明けた月曜日には2学級で多くの子供たちがインフルエンザのため欠席しました。そこで全校朝会があった2月7日から2学級を学級閉鎖としました。
こうした状況を踏まえ、朝、冷え切った体育館に子供たちを集めることは、インフルエンザを広めることになる懸念があると考え、1月に続き全校朝会を放送で行うことにしました。
今回の話は、この日に行われる「ありがとう集会」に合わせて、「ありがとう」という言葉を使うとき(感謝の気持ちを表すとき)に大切にしてほしい3つのことを話しました。「ありがとう集会」に臨む心構えや姿勢をちょっと考えたり気づいたりしてほしかったからです。
深谷小学校のみなさん、おはようございます。みなさんが一緒の所に集まることでインフルエンザが広がってしまわないように、1月に続いて今朝も、体育館でなく、放送で全校朝会をすることにしました。目の前にみなさんはいませんが、それぞれの教室で聞いているみなさんの様子を想像しながら話します。みなさんも、校長先生がマイクの前でどんな風に話しているのか想像しながら聞いてください。では、始めます。
はじめにクイズを出します。日本人が好きな日本語の第1位はなんという言葉でしょう?ちなみに3位は「愛」で第2位は「努力」です。難しいかもしれないのでヒントをあげます。言葉を話せないアリさんは友達と一緒に10匹でその言葉を表します。わかりましたか?
正解は「ありがとう」です。
なぜ「ありがとう」が1番好きな日本語なのでしょう?きっと、言われた人も、言った人も、幸せにしてくれる言葉だからでしょう。
「ありがとう」という言葉を聞くと、私は以前勤めていた岡部西小学校のスクールガードリーダーさんからうかがったお話を思い出します。10年以上毎朝、子供たちが安全に登校できるように交通指導をしてくださっていた方です。3月のある日、いつものように「おはようございます」のあいさつをして通り過ぎた男の子が小走りで戻ってきてこう言ったそうです。「今日でぼくは小学校を卒業します。6年間毎日見守っていただきありがとうございました」笑顔で軽くお辞儀をして学校への道をまた歩いて行ったそうです。そのスクールガードリーダーさんは、「ああ、続けてきてよかったぁ」と心から思ったそうです。
このお話を聞いて、「ありがとう」という言葉を使うときに大切にしたいことを3つ考えました。
1つ目は「ありがとう」と感じる・思える心をもった人になることです。同じことをしてもらっても「ありがとう」と思える人も、何も感じない人もいます。何かをしてくれる人に「ありがとう」と思える人になってください。
2つ目は「ありがとう」と気持ちを伝えられる人になることです。「ありがとう」という気持ちになっていても、相手にその気持ちを伝えられないと喜んでもらうことはできません。恥ずかしがらず、きちんと自分の気持ちを伝えられる人になってください。
3つ目は「ありがとう」の気持ちを伝える工夫ができる人になることです。どんな時にどのように伝えれば1番喜んでもらえるか考えられる人になってください。人に喜んでもらえることを自分の喜べる人になってください。
今日は「ありがとう集会」があります。いろいろなところでお世話になった方々がたくさんいらっしゃいます。みなさんのどんな「ありがとう」の気持ちを、どんな言葉で、どのように伝えてくれるのでしょうか。みなさんの「ありがとう」の伝え方を楽しみにしています。
これで、2月の全校朝会のお話は終わりにします。