『立場』や『役割』という”教材”
-”学び”・”教える”という体験の大切さ-
先週、1年生が深谷幼稚園の子供たちを招いて、12月に地域の方々から教えていただいた昔遊びを教えるという学習をしました。
『学校は学ぶところ』です。ですから、1年生に限らず、学校では”学ぶ”ことが中心になります。中でも学年が一番下となる1年生は、先生からだけでなく上級生からも教えてもらい学んでいます。しかし、”学ぶ”という営みは”教えてもらう”という行為によってのみ為されるわけではありません。実は、一見逆の行為に見える”教える”という行為によって効果的・効率的に”学ぶ”ことができることは広く知られています。ですから、普段の授業でも『学び合い』という活動を重視し”教える”という行為を積極的に経験させています。
それでも1年生は、上級生と比較すれば”教える”という『立場』や『役割』を経験する”場”が不足しがちです。そこで、来年度・再来年度に新入生として自分たちが迎える深谷幼稚園の子供たちに、昔遊びを”教える”という『立場』と『役割』を体験する”昔遊び教室”という場を、学年の先生たちが教材として用意したわけです。
冬休み前から意識させ、休み中も家庭で練習をしてきたとはいえ、決して十分な準備時間があったわけではないので、子供たちを前面に出しながらも、つまずいた時はサポートできるように寄り添い見守るという体制で先生たちはこの”昔遊び教室”に臨んでいました。
はじめの言葉を述べた子は、緊張してなかなか最初の言葉が出ませんでしたが、全体の真ん中ではなく”幼稚園児の前に立つ”という相手意識は忘れていなかったこと、あやとりを教えるためのスペースでは、幼稚園児の上履きを向きを変えてきれいに並べていたこと、鞠つきで転がっていってしまったボールをサッと拾い集めている姿など、深谷小学校が普段から大切にしている『小さな紳士・淑女』としての”思いやり”という資質がチラリと・・・キラリと輝いて見えたことも嬉しかったです。
昔遊びの”先生”、”お兄さん・お姉さん”という『立場』と『役割』を体験し、1年生は”2年生になる準備”が順調に進んでいること、周囲にも、自分たち自身にも示してくれました