本日は、後期人権集会となります。リモートを活用しての集会となりますが、子供たちに以下のような話をします。
「思いやりを胸に」
みなさん、おはようございます。10月も残すところわずかとなり、めっきり寒くなりました。はやいもので今年も残り2ヶ月余りです。今日は、後期の人権集会です。深谷小学校447名の児童全員が、「明るく」「元気に」「友だちと楽しく」学校生活が送れるよう願いを込めて、みなさんにお話をします。
「ある家に男の子が生まれました。この男の子は、生まれつき身体が不自由でした。そして、数年後に弟が生まれました。小さい頃、弟はけんかのたびに『お兄ちゃんなんてバカじゃないか』といいました。お母さんは、弟が兄にその言葉をいうのを聞いてとてもいつも悲しくなりました。しかし、お母さんは何も言わずじっと待つことにしました。
お兄さんが小学校1年生に入学したとき、お友だちを家に招いて誕生会をしました。そこで、悲しいことに兄は急に来てくれたお友だちを殴り始めました。その時です。弟が飛び出してきて『お兄ちゃん、殴るんだったら僕を殴って』『僕なら痛くないから』といいました。それを聞いた母親は『ぼうや、ありがとう』といいました。
その弟が小学校1年生に入学した時、隣の席には手の不自由な子どもがいました。体育の授業のある日、体育着に着替えなければならないので、当然、その子どもは着替えに手間取って遅れてきました。しかし、2回目からは時間通りに来たので、先生は不思議に思いました。体育の授業のある日、先生は教室を見に行ってみました。すると、あの弟が一生懸命になって、着替えを手伝っているのをみました。先生は、このことをみんなに話そうと思いましたが、弟が自分からすすんでやっていることなので、黙っていることにしました。
さて、七夕の前日、学校は、授業参観日でした。先生は子どもたちが短冊に書いたそれぞれの願いを読んでいました。子どもらしい『おもちゃが欲しい』などの願いの中に、『神様、どうか隣の席の子の手を早く治してください』と書いてあるのを見つけました。』そう、あの弟が書いたものでした。先生は、たまらなくなってみんなの前で、この弟が着替えを手伝ってくれていたことを話しました。自分の子どもは手が不自由なのでみんなに迷惑をかけているのではないかと心配して、廊下の隅で小さくなって授業をみていた男の子の母親は、教室に飛び出してきて弟の足元でこういいながら泣きました。『ぼうや、ありがとう。ありがとう。ありがとう。本当にありがとう』
人への思いやり、それは本来誰もがもっているすばらしい心だと思います。わたしたちは、この思いやりを大切にしていきましょう。