何ができるようになるか・何を学ぶか・どのように学ぶか
-教育が目指していくこと-今日は、なかよし学級の子供たちが、桜ヶ丘小・大寄小・深谷西小、そして深谷中・南中の特別支援学級の子供たちとの合同学習会に参加しています。『電車に乗って、川の博物館に行こう!』という生活単元で、「公共の乗り物や、施設の利用のしかたを学び、ルールやマナーを身に付ける(小・中共通)」「川の博物館内の展示物や体験コーナーに興味をもつ(小学生)」という目標に向けて活動します。
深谷駅まで見送りに行き、電車に乗る前の様子を見てきました。
券売機で初めて切符を買って、自分の切符をもって自動改札機を通る・・・先生と予習してきたことを、先生に見守られる中で、自分でする、という体験をしていました。
以前、帰国子女を各学年10名以上受け入れる中学校に勤めていました。
校外で持久走大会をおこなった時のことです。各自が電車やバスを使って現地集合することになっていたのですが、帰国したばかりの生徒がいつまで経っても来ません。家庭に連絡し、先生方で必死に探しても見つからず、警察に電話しようとしていた時に、その生徒の保護者から、会場とは逆方向の駅で保護されているという連絡が入りました。
海外では、通学はスクールバスか保護者の送迎ばかりで、自分で目的地に行けるバスを探したり、降りたい場所で下ろしてもらえるよう合図を押したり、分からないことを周りの人に尋ねたりすることを、教わることも、学ぶことも、体験することもなかったのです。
私たちが「できて当たり前」と思っていること、例えば挨拶や返事、姿勢や服装を整えること、ものを大切にすることなども、実は教え、学ばせ、経験・体験させなければ、できるようにはならないのですね。
今朝の合同学習会での様子を見ていて、そんなことを思い出し考えました。
今、文部科学省ではこれからの学校教育の方向性を検討しており、本年度中には具体的に示されるようです。現在示されている中からは
、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を明らかにした教育を、学校と社会(家庭・地域等)が連携・協働しながら進めていくことが求められていくことが分かります。今日の小・中特別支援学級合同学習会は、今、そしてこれから求められる教育の在り方を具体化した取組であると感じました。
きっと、今日一日だけで完全に「できるようになる」のではないはずです。しかし今日の合同学習会を通して、深谷小学校のなかよし学級の子供たちの「学び」がどんな変化を見せてくれるか、帰ってくる子供たちを迎えるのがとても楽しみです。
№7