小さな淑女の楽しいお手伝い
-「雪遊び」はだめ!でも・・・-2月2日は、前夜から降り続く雪で深谷の街はすっぽりと包まれてしまいました。
登校時の子供たちの安全を考え、登校時刻をおよそ2時間遅らせました。そして、子供たちが登校してくる前に、先生たちと一緒に学校周辺の通学路の雪かきに出ました。学校の周りを先生たちがやってくれていたので、教頭先生と少し離れてますが坂が急な智形橋へ足をのばしました。その途中、城址公園を過ぎたあたりで雪かきをしている深谷小の女の子に会いました。
「雪かきのお手伝い、偉いね。」と声をかけると、その子はにこっと微笑んで、小声でこう教えてくれたのです。
「校長先生、お母さんに雪遊びをしていいって聞いたら、だめって言われたの。でも雪かきならいいわよって言ってくれたから、わたし、やってるの。あそこのおばあちゃんちの前までやるの。」
心が温かくなりました。そして、お子さんの気持ちをよく理解されているお母さんの機転に感心しました。通勤時間に当たる時間に子供を「雪遊び」させるのは危険ですから「だめ!」と言うのはお子さんのことを考えれば当然です。しかし、その女の子が「雪遊び」で最もやりたかったことは、深谷では滅多にない一面の雪に触れたいということだと分かっていらしたのでしょう。そして、子供の一番の楽しみを保証してあげる「お手伝い」を提案してくださったのだと思うのです。もしかしたら、雪でおばあちゃんが転んだら大変だからおばあちゃんちの前までお願いね、なんて一言加えられたのかもしれません。女の子は、一番の楽しみの雪に触れることを十分に堪能した上で、わたしは「お手伝い」をしている、おばあちゃんに喜んでもらえることをしているというやり甲斐や小さな誇りまで得て、楽しく喜んで、雪かきという「お手伝い」に勤しんでいたのです。
「小さな淑女」に出会え、素敵な雪の朝になりました